
私たちの日常の中には、花を楽しむ文化があります。この身近な存在である「花」を、地域のまちづくりに活かすため、四季折々の花を楽しむイベント「ミユフェス・フルール」を開催いたしました。今回のテーマは地元宇都宮の歴史にまつわる夏の花「蓮」。一体どのようなイベントになったのか、本編の他、「準備編」「観蓮会編」「当日編」の3部に分けて掲載いたします。

今回は「当日編」です。
・本編
・観蓮会編
・準備編
みんなで咲かせよう
2025年7月28日(月曜)10:00~18:00
宇都宮オリオンスクエア
宇都宮に多様な文化が花開くよう、花に希望と願いを託し、世代を超えた地域有志の皆様と共に協働して創り上げた楽しいイベントとなりました。

おかげさまで、各方面から好評の声もいただきました。当日の様子は、下野新聞社様・宇都宮ケーブルテレビ様に取材をしていただき、NHKのニュースでも放映していただきました。

花瓶は小さな蓮池
当イベントの柱の一つとして、宇都宮城跡から発掘され、平出町の印南洋造氏が発芽・開花させた460年以上前の蓮。「印南蓮」を展示、鑑賞していただきました。蓮は被写体として写真愛好家の方々に人気がありますので、撮影も楽しんでいただけるよう配置を工夫いたしました。




関連する膨大な資料を一挙に展示するため、専用の展示台を制作いたしました。また、ご来場くださったお客様には内容について詳しくご説明させていただいました。






花を唄おう
ステージでは各アーティストが花に関する楽曲を演奏し、イベントに華を添えていただきました。周辺環境との調和という観点から、規制値を下回る控え目な音量といたしました。
(出演順・敬称略)
■ちぃ


■mitsu*


■なっちゃん


■プレミア・アンサンブル


■OK


■リナワーズ


■Honda-man


紙芝居
当イベントのハイライトとなったのは、巨大なスクリーンに映し出された紙芝居「宇都宮城と蓮のものがたり」です。

「宇都宮城と蓮のものがたり」
作:印南洋造
画:小林幸正
語り:高橋多美子
製作:宇都宮城跡蓮池再生検討委員会
この紙芝居は、宇都宮の歴史と蓮の関りを、次世代へ伝承する目的で、子供向けに作られたものです。試演を兼ねた初興演から一週間を経て完成版となった内容のものを、オリオンスクエアの大スクリーンで上映いたしました。ナレーションは録音物を流すのではなく、最も心に響く人間の生の声に拘りましたので、ステージ上で行われたのは紙芝居という名のライブパフォーマンスとなりました。

来街者のほとんどは、それぞれ何らかの目的があって街中を訪れているだけですので、文化やまちづくりに対して関心のある層が多いというわけではありません。食に関するイベントを除き、来街者の興味を惹くということはそれだけでも困難な課題であり、一筋縄ではいかないものです。そのような状況ですので、たとえ一人でもに真剣に耳を傾けてくださる方が居たのであれば、開催する意義は充分にあったと言えるのです。今回は立ち止って最後まで観てくださる方や、質問などの声掛けもいただけましたので、望外の好反応を得ることができた成功例と言えるでしょう。

私たちのまちづくりイベントは、営利企業の収益イベントとは趣旨が異なりますので、数ではなく質を高めることを重視しています。その瞬間だけ人を集めようという考えではありません。物事の広がりや発展は、地道な作業の中から生じるもので、何かをひたすら追求する人たちの努力の融合による結果です。その連鎖反応を起こすことがイベントの目的の一つでもあります。
フロア出店
全体の配置に余裕を持たせた空間デザインを心掛けました。ゆとりある雰囲気の中で出店を行うことにより、それぞれの事業に良好な結果をもたらしました。バルーンアートの無料配布などもお客様に喜ばれました。
(順不同・敬称略)
■SMILE KITCHEN

■アリスファミリーサポート

■ひよこ書店


■こくら工房

■ツッチーショップ

■みゆカフェ

■谷口好一チャリティーブース

■栃木県薬物乱用防止指導員ブース

印南洋造氏 記念講演
「歴史はまちづくりの原点」
閉鎖空間にて厳粛な雰囲気で実施する参加募集型の学術的講座では、参加者の属性が専門家や興味のある方に偏りがちです。当イベントでは、関心の有無にかかわらず、テーマに対して多くの市民の皆様に気軽に接していただけるよう、通行人の多いオリオン通りに面する市民広場であるオリオンスクエアで開催し、不特定の対象者に対し、エンターテイメントの中で体験していただく形式といたしました。歴史はまちづくりの原点という言葉は重厚であり、沢山の想いや意味が込められています。


本講演は、氏の長年にわたる豊富な経験の中から語られる真理ともいえる内容であり、様々な示唆に富む非常に興味深いものでした。また、科学的なデータを提示するなど、学術的にも貴重なものでした。特に印象的だった締めの言葉を以下に引用します。
歴史を良く紐解いていけば、子供達も、宇都宮という街はこんなに良い街なんだと理解するのではないでしょうか。
印南洋造 令和7年7月28日 ミユフェスフルール記念講演「歴史はまちづくりの原点」
市民憲章の中で謳われていることを、みんなが謳い上げていけば、もっと良い街になるのではないでしょうか。
私もその一端を担えれば良いなと思います。
宇都宮市民憲章
1. 健康で、心のふれあう明るいまちをつくります。
2. きまりを守り、活気あふれる楽しいまちをつくります。
3. 学ぶことを大切にし、文化の薫る美しいまちをつくります。
素晴らしい講演をありがとうございました。大切な教えの数々を胸に刻ませていただきます。
イベント寸景

















おかげさまをもちまして、当イベントは盛況のうち無事終了いたしました。ご来場くださったお客様に御礼申し上げます。
咲き誇る花を見つめながら

当イベントが多くの発見や学びをもたらし、まちづくり活動として意義深いものとなったのは、偏に、ご賛同、ご協力くださった皆様のお陰でございます。誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
咲いては散ってまた咲いて

古代の水辺に、最初に蓮の花を浮かべた人物は、それが世々を経て、このような形で目見立つことになるとは夢にも思わなかったでしょう。
無為であれ、推考を突き詰めた果ての意図的行為であれ、物事は歴史の中で生々流転し、顛末は知る由もありません。就中、ご縁やめぐり合わせの妙は、理屈で納得できるものではありません。
そう考えますと、まちづくりに於いては、諸論に正否を問う意味はなく、唯、各人の信念と、人々の共感による行動が大切であると、あらためて思う事となりました。皆さんはどのようにお感じになられたでしょうか。
私たちは、生起する事象に対して謙虚でありたい。そして、良否は知らずとも後々の希望となることを願いつつ、理念の具現化ともいえる各事業をこれからも只々続けていくのみです。
Special Thanks
ご協力いただきありがとうございました。(順不同)
下野新聞社 様
宇都宮ケーブルテレビ 様
平石地区市民センター 様
栃木県立博物館 様
宇都宮白楊高校 様
JAうつのみや 様
とちぎYMCA 様
ALSOK 様
松井PTO印刷 様
那須の遠吠え 様
渡辺グループ 様
サトーカメラ 様
ペアーレとちぎ 様
ダンススタジオブレス 様
セブンイレブン砂田店 様
宇都宮城跡蓮池再生検討委員会 様
以下の記事も是非ご覧ください。
・本編
・準備編
・観蓮会編