記録的な猛暑だった夏を越え、過ごしやすい季節になった。空が淡い金色に染まる夕暮れの空を眺めていると少し寂しさを感じる。いつものカフェに入ると、少し緊張した面持ちの彼女が迎えてくれた。


私たち「みゆスタ」のみんなが、まるで娘のような気持ちで可愛がってきたハルナ。


新たな旅立ちを迎える彼女の、今夜はその大切な節目を彩るコンサート。タイトルは”Together” 。可愛いイラスト付きの手書きのフライヤーには、彼女のたくさんの想いが込められている。

店内には家族や友人、学校の先生や関係者たち、そして彼女を見守ってきた私たち。

たくさんの仲間たちの笑顔で満たされた店内。それは彼女のために用意された特別な舞台。静かなざわめきさえも祝福のように感じられた。




彼女がマイクの前に立つと、空気がすっと澄んだ。曲のイントロが流れた瞬間、彼女の表情から緊張がほどけ、その歌声がカフェの空間にふわりと広がった。透明で、まっすぐで、どこか芯の強さを秘めた声。その響きは、きらめくスポットライトと溶け合い、聴く者の胸に深く刺さり、強く届いていった。

家族は目を細め、友人たちは頬を紅潮させ、私たちはまるで成長を見届ける親のような気持ちで彼女を見つめた。曲が進むにつれ、彼女の声はより自由に、より伸びやかに空間を満たしていく。

歌うことが好きで、その喜びをみんなと分かち合いたい──そんな純粋な願いが、音となって流れていた。共演のシンガー健吾さんと、ピアノ演奏の颯一郎さん。彼らのまなざしからも、同じ気持ちを共有していることがしっかり伝わってくる。

最後の曲が終わると、拍手が波のように広がった。彼女は少し照れたように笑い、深く頭を下げた。その姿は、10代のあどけなさを残しながらも、確かに一人の表現者として輝いていた。



新たな世界に飛び込んでいく勇気のある若者たち。

夢を持ち努力を重ねている若者たち。

彼らを見守り応援するたくさんの人たち。



ここに集まったみんなで創り上げた大切なコンサート。

ありがとうハルナ。

天使に出会えた奇跡をありがとう。


店を出ると外は暗闇。秋の日はつるべ落とし──国道を走る車のライトが、さっきまでのステージのきらめきを思い起こさせる。本当に素敵なコンサートだった。

今日という日が、彼女にとっても、私たちにとっても、忘れられない一歩になるだろう。

音楽は人を育て、つなぎ、未来へと誘っていく。彼女ならどんな景色の中でも輝いていけるだろう──

その旅路を、私たちはこれからもそっと見守っていくつもりだ。


